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天の川の撮影方法について

夏の天の川が肉眼で良く見えるところに行けば、一眼デジカメで簡単に写すことができます。赤道儀を使った地球の自転にあわせて撮影するガイド撮影が天体写真としては一般的ですが、固定撮影でも以下の方法で簡単に写すことができます。

1)固定撮影編

しっかりとした三脚を使いましょう。広角で明るいレンズをつけます。F4よりも明るいもの、できたらF2.8よりも明るいレンズが良いです。絞り開放では周辺の星像のゆがみや、周辺が暗くなり周辺減光が目立つものもあります。そんなときは半絞りから1絞りいれてやります。

ISOはできるだけ高くします。カメラによっては筋状ノイズが出るものもあるので、どこまで上げても大丈夫か自宅の空で試しておきましょう。私が持っているキヤノンEOS KISS DNではISO1600では筋状ノイズで駄目、EOS20Dでは3200にするとかすかに出てきます5Dでは3200でも大丈夫です。

バルブにし、レリーズを使って撮影します。露出時間はカメラによってはマニュアルモードで30秒まで設定できるものがあり、そっとシャッターを押せば大丈夫なものもありますが、レリーズがあったほうが安心です。

露出時間は30秒を目安とします。ISO1600にF4で天の川が出てきます。

データ保存はRAWデータも保存できるようにしましょう。

高感度にすると画面の端に色がつくアンプノイズや、赤や青の明るい点が出るスポットノイズが目立つようになります。

毎回同じところに出るものについては、レンズにキャップをして同じ露出時間で撮影する「ダーク」を撮影しておきます。気温によって出方が変わるので必ず撮影時にときどきダークを撮っておきましょう。ISOを変えた時にも忘れずに。

2)ダーク補正編

YIMGでダーク補正を行います。まずダークファイルを指定します。RAWデータしか使えません。次に撮影データのRAWデータを指定すると、差を取って表示されます。1枚で十分という場合には保存してフォトショップで加工します。

3)合成編

連続撮影したデータがあれば、YIMGでは1回に4コマまで、自動的に星をずらして合成してくれます。ダーク補正したデータを指定し、合成してみましょう。広角レンズでは視野の端が回転するので、2分以内が良いようです。

4)フォトショップ加工編

空が明るいと全体にオフセットを持っています。これをフォトショップのレベル補正を使って引いてやります。また、狭い範囲に集まっていると天の川が薄くしか出ないので、レベル補正で両端をデータのビット分布にあわせてやり、中心を微調整すると天の川がくっきりと浮かびあがってきます。

あとは色を好きなように変えたり、コントラストを変えて見栄えを良くすれば完成です。

光害で一部分が明るくなっているときは、レイヤー機構でグラデーションをつくり、乗算で暗くすることも可能です。地上風景も一緒に暗くなってしまうので、少しづつ何枚も重ねてやると良いですね。

このほか、レイヤーに元画像をコピーし、ガウスぼかしをかけて比較明合成すると天の川や明るい星がぼけて、ソフトフィルターを使ったようにすることもできます。魚眼レンズや超広角レンズによってはフィルターが使えないものもあるので、このようなテクニックを試すと楽しいでしょう(^^)

夏は流星が多く見られます。特に8月13日をピークとするペルセウス座流星群は活発な活動をするので、固定撮影で連続撮影することで明るい流星を捕らえることもできますよ(^^)

写真はチャオ御岳スノーリゾートで固定撮影で写した例です。1ショット、4枚合成、それにガウスぼかしを加えてみました。大きな画像でごらんください(^^)
2010年7月26日 16:34 センベイ (7)
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